中小企業等経営強化法に基づく『経営力向上計画』の認定を受けることにより、いくつかのメリットが生まれます。

皆さん、こんにちは。
業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。
一昨日ご紹介した『IT導入補助金』の審査項目の中に、『経営力向上計画』の認定を受けているか?がありますが、この経営力向上計画の認定を受けることにより、IT導入補助金以外にもメリットがあります。
※ IT導入補助金の審査において経営力向上計画の認定は必須ではありませんが、認定を受けておくことをお勧めします。
経営力向上計画の概要
人口減少・少子高齢化の進展や国際競争の激化、人手不足など、中小企業を取り巻く事業環境は厳しさを増しており、足下では生産性が低迷し人材確保や事業の持続的発展に懸念があります。こうした中で、中小企業・小規模事業者等が労働の供給制約等を克服し、海外展開等も含め、将来の成長を果たすべく、生産性の向上(経営力向上)を図るため、『中小企業等経営強化法』が施行されました。
中小企業・小規模事業者等が、人材育成、コスト管理のマネジメントの向上や設備投資等、事業者の経営力を向上させるための取組内容等を記載した事業計画(『経営力向上計画』)を作成して認定を受けることにより、計画の認定を受けた事業者は、機械及び装置の固定資産税の軽減(資本金1億円以下の会社等を対象とし、3年間半減)や金融支援等(低利融資、債務保証等)の特例措置を受けることができます。
経営力向上計画の認定計画事例
<農林水産省認定 畜産農業A社>
売上高増加率・営業利益率の向上を目的に、牛舎の新築や新たな搾乳ロボットの導入、飼養頭数を増やすなどの取組を通し、事業規模の拡大を図り安定した経営基盤を構築する。
(具体的な取組)
・生乳の価格は、今後海外勢を含めた競争の激化が予想され、大規模化によるコスト減が必須である。また、従業員が不足しているため効率の良い生産体制を構築する必要がある。
・こうした状況に対応するため、新たに牛舎を新築して飼養頭数の増加を図ると共に、搾乳ロボットを取得して搾乳業務の負担軽減を図り、労働生産性を高め経営基盤の安定を図る。
<経済産業省認定 衣服卸売業B社>
海外市場に向けて自社製品の投入や、海外輸出販売用ウェブサイトの構築を行うことで、営業活動の強化を図る。
(具体的な取組)
・商品セグメント毎の損益管理を行い、無駄な仕入れや過剰在庫を抑制し、利益率向上に努める。
・日本、イギリス、中国等で特許取得したトートバックの企画、販売、小売、輸出販売を行う。また、為替市場へのリスクヘッジのため海外輸出販売用のウェブサイトを構築する。
・ファストファッションの影響で停滞しているアパレル実店舗、また、ネットショッピング市場の拡大によって業態維持、継続に大きく影響を受けている書籍、レコード、DVD実店舗等へ、現在の売場や人材を利用し新業態の提案と店舗演出に関する指導を行い、取引先の新しい産業創出と雇用維持及び拡大に努める。
中小企業庁『認定計画事例集』より抜粋
以上のような感じとなっております。
それほど難しいものではありませんので、この機会に認定を受けてみてはいかがでしょうか。