昨今、データなどの保存先にクラウドストレージサービスを利用する事業者もありますが、果たしてそれは本当に安全な保存先と言えるのでしょうか?

皆さん、こんにちは。
業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。
インターネット環境があれば、いつでもどこでも保存したファイルにアクセスできるクラウドストレージサービスですが、利用規約次第で注意をしなければいけないものもあります。
さて、それはどのようなことでしょうか?
コンテンツに対する使用権などの付与
まず、下記の利用規約を読んでみて下さい。
本サービスにユーザーがコンテンツをアップロード、提供、保存、送信、または受信すると、ユーザーは Google(および Google と協働する第三者)に対して、そのコンテンツについて、使用、ホスト、保存、複製、変更、派生物の作成(たとえば、Google が行う翻訳、変換、または、ユーザーのコンテンツが本サービスにおいてよりよく機能するような変更により生じる派生物などの作成)、(公衆)送信、出版、公演、上映、(公開)表示、および配布を行うための全世界的なライセンスを付与することになります。
このライセンスでユーザーが付与する権利は、本サービスの運営、プロモーション、改善、および、新しいサービスの開発に目的が限定されます。このライセンスは、ユーザーが本サービス(たとえば、ユーザーが Google マップに追加したビジネス リスティング)の利用を停止した場合でも、有効に存続するものとします。
Google社 利用規約より
お客様は、マイクロソフトに対し、本サービスをお客様および他のユーザーに提供するため、お客様および本サービスを保護するため、ならびにマイクロソフトの製品およびサービスを改善するために必要な範囲で、お客様のコンテンツを使用する (たとえば、本サービス上のお客様のコンテンツを複製する、保持する、送信する、再フォーマットする、表示する、コミュニケーション ツールを介して頒布するなど) ための世界全域における知的財産のライセンスを無償で許諾するものとします。
Microsoft社 サービス規約より
これらの規約は、クラウドストレージサービスを運用している企業側に対して、アップロードしたコンテンツの使用権などを付与してしまうことを意味します。
重要な機密情報であったりするユーザーデータに関して、こういった権利を付与してしまう可能性を秘めた内容があれば避けた方が無難であるとも言えます。
ただし、すべてのクラウドストレージサービスが必ずこの限りではなく、これらの規約がないものも当然ありますので、まずは利用規約をしっかりと熟読し、そこにデータを保管することに問題がないかどうかを確認することが重要です。
クラウドストレージの同期に注意
もう1つ注意した方が良いものがあります。
多くのクラウドストレージサービスにおいてデータの同期が自動的に行われる機能(ツール)がありますが、万が一コンピュータがランサムウェアの攻撃を受けたしまった場合にはコンピュータはそれによって暗号化されてしまうため、クラウドストレージと自動で同期されてしまった場合においては無意味な保存先となってしまいます。
つまり、万が一の消失などに備えて保管しているデータは復旧に使えないものとなってしまうということです。
こういったリスクを少しでも軽減するには、複数のバックアップ先を用意しておくことが望ましいでしょう。
メディア、ローカル、クラウドストレージなど、有事の際の復旧手段をいくつか選択可能な状態にしておくことです。
また、これ以前の話しとして、セキュリティ対策を怠っていては話しになりませんのでご注意を。