現在、厚生年金に加入が義務付けられているパートなどの短時間労働者は、従業員数が501人以上の企業で、月額賃金が8.8万円以上などの特定要件に当てはまる者が対象となっていますが、現在、その適用拡大が検討されているようです。
皆さん、こんにちは。
業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。
パートなどの短時間労働者の厚生年金は現在、従業員数が500人以下の企業でも労使合意により加入可能になっていますが、今度は金額レベルの引き下げ案が検討されているようです。
厚生年金のパートへの適用拡大検討
現在、特定要件の1つである月額賃金は8.8万円以上となっていますが、これを6.6万円以上へと約2万円の引き下げ案が検討されているようです。
この背景として、近年パート労働者の収入増加により厚生年金に加入するパート労働者は増えているとされており、さらに加入しやすい要件にしようと検討がされているというように見えます。
しかし、少々疑問が残る部分があります。
当初の予想は、厚生年金への加入で手取り金額が減ってしまうことから、特定要件に該当しないようにする人が多くなることが予想されていました。
計算上、パート労働者の厚生年金加入で元が取れるのは結構な年数が掛かります。
20代の若者であれば取り戻せる計算にはなりますが、40代以上ともなると少々厳しいという計算になるはずです。
そこから考えると、手取り金額を減らすことは厳しく、現状を維持しようと思うと厚生年金の加入要件に当てはまる。
厚生年金の加入要件に当てはまると手取り金額が現状維持できないため、やむを得ず働く時間を増やさざるを得ない。
このような現実があるような気がします。
年金財政が厳しいのはわかりますが、先々支払った金額分すら戻ってこないようなものであればもう少し違った施策を検討してもらいたいものです。