会社や店舗などの広告宣伝で使われているホームページに関連する費用の計上は、どのようにするのが適切でしょうか?

How to

皆さん、こんにちは。

業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。

ホームページを公開していると毎年一定の費用がかかるかと思います。

それらはどのように会計処理するのが適切なのでしょうか?

ドメインやレンタルサーバの費用

まずドメインの場合、取得に要した費用の効果が1年以上継続されることから、会計士・税理士の間では『繰延資産』が妥当であるという見方があります。

これを額面通り捉えて考えると、『長期前払費用』として計上するのが適切な会計処理方法であるということになります。

中小・零細企業、小規模事業者においては『広告宣伝費』として1年分の費用を一括で費用計上しているところも多いかもしれませんが、それはそれで問題ありません。

ちなみに、この場合は通信費や支払手数料でも構わないと思います。

次にレンタルサーバの費用ですが、基本的には『通信費』として一括計上してしまって問題ないでしょう。

場を借りるという意味で『賃借料』として処理されるところもあるようですが、それでも問題ありません。

しかし、これらを取り扱う業態がウェブ制作や保守メンテナンスを行う事業者であった場合、自社のものはそれで良くてもクライアントのものは別の考え方になります。

ウェブ業者の場合、ドメイン取得・維持やレンタルサーバなどを含めて『保守』として請け負っているケースが多いですが、そうなると、それらは売上に対応した原価であると考えられます。

また、ドメインやレンタルサーバの支払いは前払になりますので、支払った時点でいったん前払費用として計上し、サービス提供が完了する都度、原価計上していくのが一般的です。

保守の売上は『前受金』として処理し、サービス提供が完了する都度、売上計上していくのは他業者と同じ考え方になります。

ホームページの制作費用の処理

ホームページの制作代金に関しては、国税庁が以下のような指針を出しています。

通常、ホームページは企業や新製品のPRのために制作されるものであり、その内容は頻繁に更新されるため、開設の際の制作費用の支出の効果が1年以上には及ばないと考えられますので、ホームページの制作費用は、原則として、その支出時の損金として取り扱うのが相当であると考えられます。
ただし、ホームページの内容が更新されないまま使用期間が1年を超える場合には、その制作費用はその使用期間に応じて償却します。
また、制作費用の中にプログラムの作成費用(ソフトウェアの開発費用)が含まれるようなホームページについては、その制作費用のうちプログラムの作成費用に相当する金額は無形減価償却資産(ソフトウェア)として耐用年数「5年」を適用して償却することとなります。

これは、通常考えられるホームページであれば『広告宣伝費』として処理し、1年を超えて更新しないままのホームページであれば『繰延資産』として処理。さらにプログラムなどが含まれているような場合においては『無形固定資産』として処理をするという意味になります。

ご参考までに。

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この記事を書いた人

  • 業務コンサルタント高橋晋吾
  • 1968年生 愛知県名古屋市出身 会計・給与・販売購買在庫・税金系などの業務システムを製造・販売する某上場企業の出身で、会計・IT・WEBを中心とした業務改善などを行う業務コンサルタント
  • 中小企業庁『ミラサポ』登録専門家/あいち産業振興機構登録専門家/名古屋産業振興公社登録専門家
  • (Publisher:TRILOGYFORCE.COM)

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