2017年度税制改正大綱において、中小企業が前年度より2%以上の賃上げをした企業に対して法人税の負担を軽減する。
皆さん、こんにちは。
業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。
日本における企業の99%以上は中小企業で、デフレの脱却にはその中小企業へのさらなる支援策も必要とされている。
そして、2017年度税制改正大綱においては、中小企業の賃上げ促進をさらに拡充するとされています。
現行の中小企業の賃上げ促進税制
現行の税制においても中小企業に対する賃上げ促進が全くないわけではありません。
現行においては、2012年度比で3%以上の賃上げをしていれば給与支給額増加分の10%を法人税額から控除することはできます。
(平均給与が前年度を上回るなどの場合)
これを、さらに拡充しようとしているのです。
見直し後の中小企業の賃上げ促進税制
2017年度税制改正においては、2016年度比で2%以上の賃上げをした企業に対して給与支給額増加分の22%を法人税額から控除する。
つまり、現行制度からさらに12%分を上乗せして控除するとされています。
(前年度比2%以上増やす場合)
中小企業への効果は限定的
この中小企業の賃上げ促進税制に対しては、一部の中小企業にとってはメリットがあるかもしれませんが、多くの中小企業には影響なしということになるのではないでしょうか。
多くの中小企業では赤字状態が続いており、税額控除の恩恵を被れるか否かどころではないのが実情です。
また、黒字であっても賃上げ促進税制の条件を満たすことは困難な中小企業も多いことでしょう。
これらの点から、中小企業全体から考えると効果は限定的なものになるのではないでしょうか。
ちなみに、過去3期の所得金額の平均が年15億を超える中小企業に関しては、優遇税制の対象から外すともなっています。