他勘定振替高とは、商品の販売以外の理由によって商品が減少した場合に使用する勘定科目です。

会計処理

皆さん、こんにちは。

業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。

ある税理士によると、中小・零細、小規模事業者においては『他勘定振替高』はほとんど使用されていないと聞きました。

しかし、これでは正確に売上原価の把握ができません。

では、どのようにするべきなのか?を見ていきましょう。

販売目的以外は他の勘定に振り替える

例えば、事業者は商品を販売する目的で仕入をしますが、この中で見本として使用したり、広告宣伝に使用したりと、販売する目的以外に使用される場合があります。

そのような場合、以下のような処理となります。

仕入時:仕入 100,000 / 買掛金 100,000

見本品として使用時:見本品費 20,000 / 仕入 20,000

ただし、これですと仕入から直接控除することになってしまうため、当期の仕入高が正確ではなくなります。

従って、見本品費 20,000 / 他勘定振替高 20,000

というように間接的に控除します。

このように処理することで、以下のように売上原価を見ることができます。

当期商品仕入高  100,000

他勘定振替高   20,000

売上原価     80,000

ちなみに、見本品費は販売費及び一般管理費の方に記載されます。

また、本来はこれに期首・期末の棚卸高などが入ってきますので、もう少し差引きが増えます。

上記を見ていただくとおわかりいただける通り、どれだけ仕入をし、その内のどれだけが他で使用され、実際の売上原価はどれだけであったのかがわかるようになります。

これらに対して、売上原価や粗利計算を目的とするだけであれば他勘定振替高は無視すれば良いという意見もありますが、本来はそれらを正確に把握するために行っている処理と考えます。

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この記事を書いた人

  • 業務コンサルタント高橋晋吾
  • 1968年生 愛知県名古屋市出身 会計・給与・販売購買在庫・税金系などの業務システムを製造・販売する某上場企業の出身で、会計・IT・WEBを中心とした業務改善などを行う業務コンサルタント
  • 中小企業庁『ミラサポ』登録専門家/あいち産業振興機構登録専門家/名古屋産業振興公社登録専門家
  • (Publisher:TRILOGYFORCE.COM)

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