昨日、デンソーウェーブとアララ(スマートフォン事業)が共同で、『独自QRコードを活用した高セキュリティQRコード決済サービスの開発に着手』したことを発表しました。
皆さん、こんにちは。
業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。
先月、『キャッシュレス決済は今後増加』という記事にて『クレジットカード決済』などによる『キャッシュレス決済』が今後増加していくことをお伝えしましたが、スマートフォンで簡単に決済できる『QRコード決済』に関しても今後急速に拡大していく可能性があります。
独自QRコードによる決済サービス
QRコード(二次元コード)の本家本元であるデンソーウェーブは、スマートフォン事業を営むアララと共同で『安全性の高い新型のQRコードを使った決済サービス』を開発することを発表しました。
『安全性の高い新型のQRコード』に関しては、現在では誰でも自由に作成でき、スマートフォンにて簡単に読み込めてしまうQRコードを利用したなりすましや詐欺事件が起きていることを鑑み、デンソーウェーブ独自のセキュリティ機能を持つ進化版QRコード『SQRC』や『フレームQR』を活用することによりセキュリティ性能を確保するとされています。
SQRC(セキュリティ機能搭載QRコード)とは
SQRCとは、データの読み取り制限機能を持った新しいQRコードです。通常のQRコードは一般の携帯電話でも読み取りができ、様々な用 途でお使いいただくコードとなりました。しかし読み取りを制限したいデータを扱う場合、印刷前にデータを暗号化し、読み取り後に複合化するなど複雑な手順 が必要でした。
SQRCは、このようなニーズに合わせて開発された、新しい2次元コードです。SQRC対応のプリンター・マーカーなどで印刷し、対応スキャナで読み取ることで容易に個人情報や企業内情報等の非公開情報をコード化し、利用することができます。このSQRCにより、2次元コードの新たな用途 への展開が期待されます。
特徴1(コードのデータをロック):SQRCは、許可された特定のスキャナでのみ読み取り可能です。特定のスキャナ以外では読み取りができないので、個人情報や社外秘情報をコード化して管理することも可能です。
特徴2(公開データと非公開データの混在):SQRCのデータは公開部と非公開部で構成されます。たとえば、品番などのオープンな情報は公開部に、仕入価格情報などの社外秘情報は非公開部に設定し、ひとつのコードに2つの管理レベルの情報の混在が可能になります。
特徴3(見た目はQRコード):SQRCは見た目はまったく通常のQRコードと変わりがありません。また、一般の2次元コードスキャナではQRコードとして公開部のみ読み取りが行えます。このためSQRCであることも判別しづらく、より高い秘匿性が得られます。
フレームQRとは
『フレームQR』とは、『コード内に自由に使えるキャンバス領域を持った新しいQRコード』で、名刺に顔写真入りのフレームQRを入れるなどの広告宣伝ツール、ホログラムとフレームQRを組み合わせた目視とデータでの確認を両立させた判定コード、OCRなどの画像認識とフレームQRを組み合わせたラベルなど、コードの中央に図形や文字を配置できるQRコードです。
これらの独自開発されたQRコードを使い、スーパーやドラッグストアなどの店頭にあるPOSレジや決済端末と連携させることによって『安全なキャッシュレス決済』を実現しようとしています。
また、最終的にはクレジットカード、電子マネー、銀行口座引き落としなどに対応することを想定し、開発に着手しています。
直近、2018年3月6日~9日まで東京ビッグサイトにて開催される第34回流通情報システム総合展『リテールテックJAPAN 2018』にてデモ展示が行われるようですので、興味のある方は足を運んでみると良いかもしれません。