携帯電話番号などを用いてスマートフォンで決済を行うサービスはフィンテック企業等が既にサービスを提供していますが、昨日、今後本格化していくと思われる新たなものが発表されたようです。

皆さん、こんにちは。
業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。
昨日、SBIホールディングスと子会社のSBI Ripple Asiaが事務局を務め、国内の銀行61行が加盟する内外為替一元化コンソーシアムが、分散台帳技術(DLT)を活用した次世代金融プラットフォームを利用する送金アプリ『Money Tap』を発表しました。
では、これによってどのようなことが可能になるのでしょうか?
分散台帳技術によるスマートフォン送金
分散台帳技術と聞いて、ブロックチェーンを思い浮かべた方もおられるでしょう。
これらの定義に関してはまだ曖昧なところもあるようですが、ブロックチェーンは分散台帳技術の一部とされています。
この技術は、昨今メディアで取り上げられることも多い仮想通貨の取引に用いられています。
このコンソーシアムの場合、米国Ripple社の『xCurrent』というソリューションが実装されたものがベースとなっており、それとスマートフォン向けアプリの『Money Tap』が接続することで送金を実現するというものです。
<xCurrentの仕組み動画>
↓
これにより、ユーザー間の個人間送金を24時間365日リアルタイムで実施することが可能となり、銀行口座番号、電話番号、QRコードの読み取りによって送金ができます。
現時点においては個人間送金の機能に限定されていますが、将来的には外為機能の追加や法人向けソリューションの提供を目指すとされています。
システムの安全性
仮想通貨と同じような仕組みで送金することに懸念を抱く方もおられるでしょうが、ビットコインなどで使用されているものはオープン型と呼ばれる分散台帳技術で、今回のシステムはクローズド型と呼ばれる分散台帳技術であることから、悪意の攻撃の可能性は無いと説明されています。
また、ネットワークに関してオープン型は『信頼できない者同士のネットワーク』であるのに対して、クローズド型は『信頼できる者同士のネットワーク』であることも説明されています。
ちなみに、このサービスは4月以降に一部の銀行にて試験運用が開始され、夏以降に一般公開を目指しています。