税務署の職員は会計原則に基づいてお話しをされます。そこからすると、時として

実際の現場ではその通りに行えないものも出てきたりもするでしょう。

議論

皆さん、こんにちは。

業務コンサルタントの高橋です。

少々細かいケールの話しにはなりますが、ワイヤーを部材として使ったモノづくりを

されている方のケースで、在庫の計上に関して悩まれている方がいらっしゃいました。

例えば、そのワイヤーが1本あたり10円だとして、1本丸ごと使用しきれないケースが

毎回発生するとします。

つまり、使用する際、数センチは切り落として使用するため、数センチの切れ端が

できてしまうということです。

その切れ端の在庫の取扱いに関して、税務署の方は下記のように指示されました。

例え1本10円のうちの残りであったとしても、材料を仕入れた中の1つで、
それが金額計算できないわけではないですよね?ですから、残った分を計算
して在庫として計上するのが原則です。

この税務署の方のアナウンスは正しいです。

残った分が正確にカウントできたとして、結果的には廃棄してしまうということであれば、

在庫上から廃棄した分を損金計上する処理をしなければいけません。

しかし、実際の現場でそういった細かいことが行えるかどうかは別問題かもしれません。

作業を行っている間に切れ端がどこかへ飛んでしまうこともあるでしょうし、

その日の作業完了時の清掃においてゴミに紛れてに捨ててしまったということもあるでしょう。

こういったケースの場合、切れ端の分はワイヤーを使った本数の内のN%として計算

するしかないでしょう。

そして、その分を棚卸在庫から廃棄したものとして廃棄損を計上することになります。

最後に1つ注意点ですが、こういった棚卸資産に関しては金額が多額であれば注意

しなければいけません。

期末棚卸高によって売上原価が変化しますので、売上原価が過大に計上されている

となった場合、税務調査時に指摘をされる場合があります。

棚卸の評価損や廃棄損の計上が妥当なものかを。

つまり、利益調整を行ったのではないか?と指摘を受けないよう、妥当な計上でないと

後々問題が発生する可能性を秘めているということです。

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この記事を書いた人

  • 業務コンサルタント高橋晋吾
  • 1968年生 愛知県名古屋市出身 会計・給与・販売購買在庫・税金系などの業務システムを製造・販売する某上場企業の出身で、会計・IT・WEBを中心とした業務改善などを行う業務コンサルタント
  • 中小企業庁『ミラサポ』登録専門家/あいち産業振興機構登録専門家/名古屋産業振興公社登録専門家
  • (Publisher:TRILOGYFORCE.COM)

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