社内ネットワークを構築する際、運用管理の利便性などを考慮してグループや部署ごとなどにてネットワークセグメントを分けることをしたりもします。
しかし、このセグメント分割に対して間違った認識をしている人もいます。

皆さん、こんにちは。
業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。
今日は、企業間の担当者同士にあった会話の中で耳を疑うような内容のものをご紹介します。
それはこんな内容です。
TCP/IP印刷に対する間違った認識
A氏:『新しく別のセグメントでネットワークを追加したのですが、そちらのセグメントにあるプリンタに印刷させてもらって良いでしょうか。』
B氏:『プリンタを使う分には構いませんが、TCP/IP印刷は同一セグメント内でしか印刷できないですよ。』
A氏:『いえ、別のセグメントに対しても印刷はできます。念のため社内でもテストをしてきましたので。』
B氏:『そんなことはあり得ませんよ。それは間違っていますね。』
A氏:『では、印刷の許可だけもらえれば結構です。』
こんな感じの会話なのですが、これはどちらが正解かというと、Aさんは正しくBさんは間違いです。
ちなみに、とあるプリンタを製造しているメーカーのサポートセンターのオペレーターもB氏と同じことを言っていたようなので驚きです。
別セグメントへのTCP/IP印刷
この会話が行われたところのネットワーク構成は下記のような構成です。
B氏構築のネットワークセグメント:192.168.1.0/24
同ルータLAN側IP:192.168.1.1(デフォルトゲートウェイ)
同セグメント内のプリンタIP:192.168.1.100
A氏構築のネットワークセグメント:192.168.2.0/24
同ルータWAN側IP:192.168.1.200、デフォルトゲートウェイとDNS IP:192.168.1.1
同ルータLAN側IP:192.168.11.1
同クライアント:DHCP自動取得
こんな感じのネットワーク構成になっているのですが、A氏が構築したネットワーククライアントからは下記のようにプリンタを設定します。
プリンタポートをStandard TCP/IPとし、プリンタのIPアドレスに192.168.1.100を設定します。
それ以外は、プロトコルでLPRを選択してLPRのキュー名を入れるか、Rawを選択してポート番号に9100などを設定するかです。
この設定で基本的には192.168.2.0のセグメントにあるクライアントから192.168.1.0のセグメントにあるプリンタ192.168.1.100に印刷を行うことができます。
もしこれで印刷できないとすれば、プリンタの置かれているセグメントにあるルータの設定としてプライバシーセパレート(ネットワーク分離)をしている可能性があります。
その場合はその機能をOFFにしないと印刷することができません。
ご参考までに。