会議費と交際接待費、文字を捉えれば違いは明らかですが、その時の内容によっては
見解が異なってしまう時が結構あったりします。それって何でしょうか?
皆さん、こんにちは。
業務コンサルタントの高橋です。
それは1枚の領収書から起きた論争です。
Aさんは2人のスタッフを連れて、1年のお礼参りに伊勢神宮に行かれ、参拝後に
近くの飲食店でスタッフとともに昼食をとりました。
ここでもらった1枚の領収書の取扱いで、Aさんと顧問税理士の論争がはじまったのです。
<Aさんの言い分>
食事中、スタッフとは今後のことに関して議論を交わしていたわけだから会議費でいいじゃないか!
<顧問税理士の見解>
Aさん、そこは貸会議室でもなければホワイトボードもありませんよね?そんなシチュエーションで会議と言えますか?ですからそれは交際接待費です。
さて、これはどうしたものでしょうか?
これ、私の見解的には『会議費』で計上して問題ないです。
こういった神社への参拝後の飲食が頻繁に行われているのであれば別ですが、年に1度、
1年のお礼参りとして伊勢神宮に行かれ、その後に立ち寄った飲食店ではスタッフと
今後の会社のことに関してミーティングを行っていることを考えると、『会議費』で
問題ないと考えます。
念のため、税務署に見解を聞いてみたことがあるのですが、答えは私と同じでした。
(注:管轄税務署、担当者などによって見解が異なることがあります。)
では、何故顧問税理士はNGを出し、『交際接待費』として処理したのでしょうか?
原則的な考え方として、
1人5,000円以下の飲食であったとしても、法人の役員もしくは従業員、又はこれらの親族に対する接待等のために支出する飲食費は交際費等の範囲に該当します。
ここが非常に気になり、実際に自分が現場に居合わせたわけでもないことから、グレー
ならば『交際接待費』として処理するのが無難と考えたのでしょう。
何故無難な選択をしたかったのか?
ちょうどその頃、同業者である他の税理士が脱税に加担したとして逮捕されてしまった
事件がありました。
それからというもの、自分の身に火の粉が降り注ぐ可能性があるようなことには非常に
敏感になっていたのです。
そういった背景を考えると、顧問税理士の見解も理解できなくはないですが、そこは
やはり事実関係が明白であれば『会議費』で問題なかったでしょう。