株主総会、ファミリー同族会社にて経営している小規模事業者にとっては手続きを省略したい
ものでもあります。そういった手間を省く方法はないものだろうか?
皆さん、こんにちは。
業務コンサルタントの高橋です。
ファミリー同族会社にて経営している小規模事業者の株式、50%以上は家族が所有している
株式となるわけですが、このようなファミリー企業の場合、株主総会の招集手続きや株主
総会の決議・報告は、問題がないのであれば省略してしまいたいものですが、書面による
同意があれば省略することができます。
招集手続きの省略
通常、株主総会を招集するには、非公開会社の場合、株主総会の1週間前までに株主に対して株主総会の招集通知を発しなければいけませんが、株主全員の同意がある場合においては、招集通知書面などの提供を行わずに株主総会を開催することができます(会社法300条)。
決議の省略(書面による決議)
株主総会の決議事項について、議決権を行使できる株主の全員が提案内容に同意した場合、株主総会を開催せずに提案を可決とする株主総会決議があったものとすることができます(会社法319条1項)。
報告の省略
取締役が株主の全員に対して株主総会に報告すべき事項を通知した場合で、当該事項を株主総会で報告することを要しないことにつき株主全員が同意したときは、当該事項の株主総会への報告があったものとすることができます(会社法320条)。
本来株式会社では、毎事業年度終了後に定時株主総会を招集し、そこで事業報告内容を
報告することが必要とされていますが、この報告も、会社法320条に基づいて省略する
ことができ、決議の省略(書面による決議)(会社法319条1項)とあわせることによって
定時株主総会の開催も省略することができます。
上記のように、ファミリー同族会社においては書面または電磁的記録によって同意を得て
いれば、招集手続き・決議・報告を省略することができますので、予め同意を得ていれば
手間を省くことができます。
しかし、『反対する者はいない!』といった思い込みだけで同意を得ていない場合、同意を
得ていないことを主張されて争いになる場合がありますので、そういった事態を招かぬため
にも予め同意を得ておくことが賢明でしょう。