信用力のある決算書とは、いったいどのような決算書のことをいうのか考えたことはありますか?

皆さん、こんにちは。
業務改善を業務コンサルタント、高橋です。
中小企業庁のウェブサイトを見ると、
信用力のある決算書とは、正しい記帳と適切な会計処理に基づいて作成されたもので、企業の真実な財政状態や経営成績を示すものをいいます。
とされています。
では、正しい記帳とはどのようにしていないといけないのでしょうか?
正しい記帳とは?
正しい記帳とは、次の1~3のすべてを満たすものになります。
1.記帳は、複式簿記の流れに従って、秩序整然とわかりやすく行わなければならない。
2.記帳は、すべての取引事実を証拠書類に基づき、正確かつ網羅的に行わなければならない。
3.記帳は、取引後できる限り速やかに行わなければならない。
そして、正しい記帳にもそれなりに要件があります。
会計帳簿の要件
1.会計帳簿の記載に当たっては、次の事項が明らかでなければならない。
① 相手先の氏名又は名称
② 取引の年月日
③ 資産又は役務の内容
④ 取引の金額
2.請求書等の記載に当たっては、次の事項が明らかでなければいけない。
① 書類の作成者の氏名又は名称
② 取引の年月日
③ 資産又は役務の内容
④ 取引の金額
⑤ 書類の交付を受ける当該事業者の氏名又は名称
また、会計帳簿の保存期間は法人税上7年間の保存が義務付けられています。
※ 会社法上は10年です。
<参考>
帳簿:総勘定元帳、現金出納帳、固定資産台帳、売掛帳、買掛帳、経費帳等
決算関係書類:損益計算書、貸借対照表、棚卸表等
(証拠書類)
現金・預貯金関係:領収書、小切手控、預貯金通帳、借用書等
有価証券関係:有価証券受渡計算書、社債申込書等
その他(棚卸資産関係以外):契約書、請求書、見積書、注文請書、仕入伝票等
棚卸資産関係:納品書、送り状、貨物受領書、出入庫報告書、検収書等
※ 上記はあくまでも行政から見た見解です。銀行等の金融機関から見た融資の際の信用力にはその他の要因が存在します。