個人事業主や小規模企業の役員などが事業をやめた場合や退職した場合、一般的なサラリーマンのように退職金を受け取ることがあまりないイメージがありますが、あらかじめ準備をしておけばそうでもなくなります。
皆さん、こんにちは。
業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。
個人事業主や小規模企業の役員などであっても退職金的なものは受け取れりたいものです。
そこで、1つの方法をご紹介します。
小規模企業共済を活用する
小規模企業共済法に基づき、独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構)が提供している『小規模企業共済』というものがあります。
これは、個人事業主や小規模企業の役員などが事業をやめた場合や退職した場合などに解約をし、それまで積み立ててきた掛金に応じて共済金を受け取ることができる共済制度です。
小規模事業者の場合、自社で退職金制度を整備するのはなかなか難しいケースが多いこともありますので、こういった共済制度を活用して退職金の代わりにするのも1つの手です。
小規模企業共済の加入資格
小規模企業共済への加入資格は下記のようになります。
・常時使用する従業員数が20人以下(商業・サービス業では5人以下)の個人事業主及び会社の役員
・事業に従事する組合員が20人以下の企業組合、協業組合及び農事組合法人の役員
・小規模企業者たる個人事業主に属する共同経営者 (個人事業主1人につき2人まで)
小規模企業共済のメリット・デメリット
<メリット>
・受取額が多い場合は20%増しくらいになって戻ってくる
例:掛金納付年数が30年、掛金合計額は3,600,000円で共済事由が事業の廃業であった場合、共済金は4,348,000円(共済事由(共済金等の請求理由)により共済金等の額が変わる)。
・小規模企業共済の掛け金は全額経費(所得控除)になる=節税になる
・契約者貸付制度があるため、資金繰りに困った際は資金を借りることが可能
<デメリット>
・元本割れのリスクがある
注:掛金納付月数が240ヶ月(20年)未満の場合は元本割れとなります。
・短期間で解約した場合は節税効果が薄くなる
・共済金受け取り時に課税される
注:一括受け取りの場合は退職所得、分割受け取りの場合は雑所得として扱われ、どちらも所得控除が受けられますのでメリットと考えることもできます。
ざっとこのような感じです。
掛金は月1,000円~70,000円の範囲にて500円刻みで決めることができますし、一定の年数を超えれば増額されて戻ってきますので、創業期の若手経営者などには良い制度と言えるでしょう。