2017年11月末だったでしょうか、WordPressなどのCMSで使われているPHPの最新系バージョン7.2系がリリースされたのは。
これにより、PHP7.1系以前と比較してパフォーマンスなどはどう改善されたのでしょうか?

皆さん、こんにちは。
業務改善を行うIT・業務コンサルタント、高橋です。
以前、『PHPを使う際のレンタルサーバ』と、『PHP7.1でパフォーマンス向上』という記事にて、PHPのパフォーマンスの改善に関して触れたと思います。
では、現在の最新系であるPHP7.2系はどれほどの改善がなされたのでしょうか?
PHP7.2系のパフォーマンス改善など
少々前置きしますが、昨今、Googleが発表している通り、ウェブのパフォーマンス(表示スピード)は検索ランキングに影響します。
デスクトップに限らず、2018年7月からはモバイル検索のランキングにも影響します。
そして、ウェブサイトにおいて非常に多く使われているCMSのWordPressはPHPで作られており、それで動作します。
また、エンジニアであれば他の機能改善などに目を向けるでしょうが、そうでなければ気になるのはパフォーマンスくらいでしょう。
さて、PHP7.2系(現在の最新バージョンは7.2.4)はPHP7.1系(現在の最新バージョンは7.1.6)と比べてどれくらいパフォーマンス改善がなされたのか?
いくつかのインターネット記事を読むと、『約10%程度の改善』と書かれています。
これ、実際にいくつかの測定サイトで計測してみると、変化が見られた測定サイトでも極わずかで、体感的には『微妙に変わっただろうか?』というくらいに思えます。
ただし、WordPress4.9.5(現在の最新バージョン)でデバッグモードで動作確認をしてみると、PHP7.1系で出ていた非推奨の警告がPHP7.2系では大幅に減少します。
これは、現在のWordPressの推奨環境が『PHP version 7.2 or greater.(PHP7.2以上)』となっていることから、PHP7.1系までで非推奨となっていたものの書き方を改善したのでしょう。
そして現在のPHP7.2系においても推奨されなくなる機能はいくつかあります。
・クオートしない文字列
・png2wbmp()およびjpeg2wbmp() 関数(次のメジャーバージョンアップで削除予定)
・INTL_IDNA_VARIANT_2003 バリアント(次のメジャーバージョンアップで削除予定)
・__autoload() メソッド
・php.ini の track_errors および $php_errormsg 変数
・create_function() 関数
・php.ini の mbstring.func_overload
・(unset) キャスト
・第二引数を指定しないで parse_str() 関数を使う
・gmp_random() 関数
・each()関数
・assert()関数に文字列を渡す
・エラーハンドラの $errcontext 引数
・read_exif_data() 関数
というように掲載されています。
結論から言えば、パフォーマンスに関しては PHP7.2.x ≒ PHP7.1.x 、他の要素も含めて考えると、PHP7.2.x ≧ PHP7.1.x(PHP7.2系がお勧め) といった感じでしょうか。