労働従事者が介護休業制度を利用できる基準は現状は厳しく、施設入所程度である『要介護2~3』の状態を求めるなどの要件がある。

皆さん、こんにちは。
業務改善を行う業務コンサルタント、高橋です。
介護の話しは縁遠いと思う方もおられるかもしれませんが、これは労働者だけでなく、従業員を抱える会社側にも影響する話しです。
しかし、現行の制度においては分かりづらい部分も多いため、来年1月の改正に合わせて基準を簡素化していく方針が出ています。
介護保険と介護休業制度
現在、介護保険では市区町村の調査員による訪問調査や介護認定審査会を経て認定を受けますが、介護休業制度においては労働者の自己申告が原則となっているため客観的な要介護に対する判断がしにくい状態となっています。
そのため、労使ともに混乱を招く原因ともなっています。
また、昨今においては施設介護から在宅介護への流れが強まっていることもあり、認定基準を見直し、緩和する方向で検討されています。
企業も歓迎する制度緩和
これに対しては企業も歓迎する方向にあり、現行制度よりも分かりやすくなれば企業側も運用しやすくなるという意見や、施設入居が可能な基準で考えた場合においては従業員は休業する必要はなく、施設に入れない要介護1まで緩和される方向であれば理にかなっているという意見もある。
確かにその通りで、実際には在宅介護においての方が多大な負担が生じることから、それにおいて介護休業制度を活用すべきであるという考え方の方が理にかなっているでしょう。
要介護1程度でも対象の方向へ
これらに関しては実際に要介護1程度であっても対象となる方向で検討が進んでおり、常時介護を必要とする新基準に対していくつか該当するような状態であった場合には要介護1であっても対象となる可能性が高まっています。
介護休業給付金
雇用保険の被保険者においては、対象家族を介護するために介護休業を取得した場合、一定の要件を満たすと介護休業給付金の支給を受けることができます。
支給額は原則として、休業開始時賃金日額×支給日数×40%(上限額:170,520円、下限額69,000円)。
公共職業安定所(ハローワーク)にて手続きを行うことになります。